敏感肌・乾燥肌のためのスキンケアとは
敏感肌や乾燥肌の方は、皮膚のバリア機能を正常に保つために毎日のスキンケアが重要です。スキンケアの基本はお肌を清潔にし(洗浄)、うるおいを与え(保湿)、紫外線からまもり(遮光)、美しくよそおう(メイク)ことです。基本をしっかりおこなうことで、お肌を健康で正常な状態に保つことができます。
スキンケアの基本
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- お肌を
清潔に保つ - 汗や皮脂、ほこりなどお肌についた汚れをきれいに洗い流す。
- お肌を
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- 乾燥や刺激から
お肌をまもる - 水分と油分のバランスをととのえ、うるおいのある健康な状態を保つ。
- 乾燥や刺激から
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- 紫外線から
お肌をまもる - 紫外線をしっかりカットし、日やけによるダメージからお肌をまもる。
- 紫外線から
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- お肌をまもり
美しくよそおう - 紫外線や乾燥からお肌をまもる。さまざまな肌悩みをやさしくカバーし、美しく魅力的な印象に導く。
- お肌をまもり
洗浄:クレンジング料(メイク落とし)、洗顔料(石けん)
保湿:化粧水、ジェル、乳液、クリームなど
遮光:サンスクリーン剤(日やけ止め)
メイク:化粧下地、ファンデーション、アイカラー、チークカラーなど
敏感肌・乾燥肌の方はこの中でも保湿が特に大切です。健康で美しいお肌は、水分と油分のバランスがととのっていて、なめらかでうるおいがありますが、バリア機能が低下したお肌は、水分を保持できないため、みずみずしいお肌を保てず乾燥しがちです。化粧水で乾燥したお肌に水分を与え、乳液やクリームなど油分の入った保湿剤を重ねて塗布することで水分の蒸発を防ぐことで、保湿効果を高めます。バリア機能をおぎなう適切な保湿をおこなうことで乾燥症状は軽減し、肌あれを防ぎ、お肌が敏感な状態を改善することができます。
敏感肌・乾燥肌のための保湿スキンケアとは
健康な皮膚は水分と油分のバランスがととのっています。しかし敏感肌や乾燥肌、アトピー性皮膚炎の方では、皮膚のバリア機能が低下しているのでさまざまな刺激を受けて炎症が起こり、かゆみや赤みが起こりやすい状態です。
皮膚のバリア機能には角層細胞間で水分を保持するセラミドをはじめとする「細胞間脂質」、角層細胞の中で水分を引き寄せる「NMF(Natural Moisturizing Factor, 天然保湿因子)」、お肌の表面で水分の蒸散を防ぐ「皮脂膜」の3つが重要な役割を果たしており、これらは「バリアの3因子」とも呼ばれます。このバリアの3因子が少なくなるとお肌は乾燥し、さまざまな刺激に敏感に反応してかゆみや赤み、かぶれなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
保湿は乾燥から防御するためにお肌に水分を与え、角層内の水分の蒸散を防ぐ役割を担う重要なスキンケアです。単にお肌に水をつけても浸透することはなく、すぐに蒸散してしまうためお肌はうるおいません。お肌を保湿するためには、お肌へのなじみを良くし、水分を保持するように成分を工夫した保湿化粧品(保湿剤)を使用することが必要です。保湿のスキンケアによって、皮膚のバリア機能を構成する3つの因子である皮脂、天然保湿因子、細胞間脂質をおぎないましょう。
保湿化粧品(保湿剤)の種類
保湿化粧品(保湿剤)は保湿の役割によって大きく化粧水(ローション)、ジェル、美容液、乳液、クリームに分けられます。
化粧水、ジェル:角層へ水分をおぎなう
保湿美容液:保湿成分をおぎなう
乳液:角層の水分・保湿成分を維持する
クリーム:皮膚表面で油の膜をつくり水分の蒸散をおさえる
保湿剤を組み合わせて使用することで保湿効果が高まります。役割の異なる保湿剤を重ねて使いましょう。最近はオールインワンジェルと呼ばれるスキンケア商品もあります。ひとつのアイテムで複数の役割を担い保湿のスキンケアを完結させるため、手軽さから人気の商品です。ジェル剤型であるため油性成分をあまり多く配合することができませんので、水分の蒸散をおさえる効果は低くなります。乾燥肌の方は、クリームまで使用することをおすすめします。
顔だけでなく、からだの保湿も大切です。ボディクリームやボディミルクなどと呼ばれるからだに使用するよう考えられた保湿剤は、からだに塗りやすいようのびが良く、だれにくい剤型であることが多く、べたつきにくい使用感にするといった工夫がされています。全身用保湿剤は顔にもからだにも使うことができます。またお肌の状態を保つためにも1年を通して保湿をすることも大切です。
敏感肌・乾燥肌のための保湿化粧品(保湿剤)の選び方
敏感肌や乾燥肌の方におすすめの保湿剤は、低刺激性で高保湿の保湿剤です。敏感肌向け、敏感肌用と表記しているブランドもありますので参考にしましょう。敏感肌向けに開発された製品では、配合する原料にこだわっていたり、お肌に刺激を与えないか、アレルギーを起こさないかどうかなどを確認するパッチテストやアレルギーテストなどをおこなっているものも市販されています。さらに実際にお肌が敏感な方での使用テストをしていることもあります。ただし、すべての方に皮フ刺激やアレルギーが起こらないとは限りませんので、まずはサンプルやテスター、トライアルセットなどで試してお肌に合う化粧品かどうかを確認してから使うようにしましょう。
アトピー性皮膚炎やにきび、その他乾燥性皮膚疾患などで通院されている方のためのスキンケアも皮膚科をはじめとした医療機関や薬局などで販売されています。お肌になんらかの疾患をおもちで医療機関におかかりの方は、担当の医師ともスキンケアについてご相談されることをおすすめします。
敏感肌・乾燥肌におすすめの保湿成分
敏感肌や乾燥肌では皮膚のバリア機能が低下しています。まずはバリア機能を担うとされる3つの因子「細胞間脂質」「NMF(天然保湿因子)」「皮脂」をおぎないましょう。細胞間脂質をおぎなう成分にはセラミドやコレステロール、天然保湿因子(NMF)をおぎなう成分にはアミノ酸、皮脂をおぎなう成分にはスクワランなどがあげられます。
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- セラミド
- セラミドは皮膚のバリア機能の3因子である細胞間脂質の一つです。セラミドはそのままでは水に溶けにくい成分ですが、製剤的な工夫などによって化粧水に配合されていることもあります。
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- アミノ酸
- アミノ酸は皮膚のバリア機能の3因子であるNMF(天然保湿因子)の一つです。角層では数あるアミノ酸のうち、グリシンやセリンの含有量がもっとも多いことがわかっています。バリア機能が低下している敏感肌の方や乾燥肌の方におすすめの成分です。
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- スクワラン
- 皮膚のバリア機能の3因子である皮脂にはスクワレンが含まれます。スクワレンはそのままでは酸化しやすく、酸化したスクワレンはお肌に刺激になりやすいことがわかっています。そのため化粧品にはスクワレンを還元して安定性を高めたスクワランが配合されます。化粧品原料としてのスクワランは、その精製度によってはお肌に刺激となる不純物が含まれる場合もあります。敏感肌向けの化粧品には精製度の高い原料を厳選して配合していることが多いので、お肌が敏感な方は敏感肌向けの化粧品を選びましょう。
敏感肌・乾燥肌が気を付けたい成分
敏感肌や乾燥肌の方は注意しておきたい成分もいくつかあります。
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- オーガニック
- オーガニックや無添加、自然派といった言葉はお肌にやさしいイメージがあり、敏感肌向けと思われることもあります。日本では現在これらを化粧品に表記するための統一の基準や定義がない状態です。オーガニックは有機物という意味であるため化粧品の場合多くが有機栽培された植物由来の成分(植物エキス)を配合しています。また無添加化粧品、自然派化粧品にも基準や定義がありませんので、各メーカーやブランド、商品ごとに意味合いが異なります。自然派化粧品については、自然由来のものを主な成分として配合している化粧品が多いようです。いずれの場合もイメージに左右されずに、その化粧品が自分自身に合っているかどうかをきちんと確認し、判断していくことが必要です。
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- タンパク由来成分
- コラーゲンをはじめとしたタンパク由来成分や食物の成分もアレルギーの原因となる場合があります。
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- 香料
- 化粧品に香りを付与するために配合される成分の総称です。そのため複数の成分が混合されている場合や具体的な成分が把握できない場合もあります。皮膚のバリア機能が低下している敏感肌や乾燥肌の方では刺激となる可能性もあるため注意しましょう。
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- 鉱物油
- 別名ミネラルオイルとも表記されます。約50年前には精製度の低い鉱物油が化粧品に配合されていたため、不純物がお肌に悪影響を与えることが問題となっていました。現在では精製度の高い成分のみが採用されています。代表的な成分にはワセリンが挙げられます。
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- アルコール
- アルコール(エタノール、エチルアルコール)や香料、鉱物油などは、敏感肌や乾燥肌の方では避けたいと思われがちな成分です。アルコールは清涼感を与えたりさまざまな成分を溶かすために化粧品に配合されています。長年広く一般的に使用されている成分であり、アルコールにアレルギーのある方を除き、敏感肌や乾燥肌に悪影響を及ぼすものではないと考えられています。またベヘニルアルコールやフェノキシエタノールといったよく似た成分もありますが、これらはアルコールとはまったく別の異なる成分です。
お肌に合わない成分がわかっている場合には、化粧品の箱や容器に書かれた全成分表示を確認しましょう。化粧品はさまざまな成分の組み合わせでできていますので、特定の成分が配合されている/いない、から必ず良いもしくは悪いとも言えません。表記される言葉のイメージのみで成分を判断したり、特定の成分を理由もなく避けるのではなく、自分自身のお肌に合った化粧品を選びましょう。敏感肌の方はまずはサンプルやテスター、トライアルセットなどでお肌に合うか確認しましょう。
敏感肌・乾燥肌の保湿のスキンケア方法
スキンケアによって敏感肌・乾燥肌を改善するためには、正しいスキンケアをおこなうことが大切です。お肌に合ったスキンケア化粧品を選ぶことはもちろんのこと、正しく使うこともとても大切です。ここからは敏感肌、乾燥肌に合ったスキンケア方法についてご紹介します。
保湿剤がきちんと役割を果たすためには、正しい使用方法、適当な使用量が大切です。使用量が少ないと、水分や油分を充分におぎなうことができません。複数の保湿剤を適量使用することで、皮膚のバリア機能をおぎない、効果的にお肌の乾燥を防ぐことができます。
顔の保湿スキンケア(フェイスケア)のポイントについてご紹介します。
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- 保湿化粧品(保湿剤)は洗顔後すぐにつけましょう
- 洗顔によって角層から保湿成分である天然保湿因子やセラミド等の細胞間脂質が流出しやすくなるため洗う前よりも乾燥しやすくなります。洗顔後、5分程度でお肌の水分量は減少し洗顔前よりも乾燥します。
すぐに化粧水、美容液、乳液やクリームなどで保湿をしましょう。保湿剤は複数のものを併用することで、保湿効果が高くなります。
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- 保湿の回数を確認してみましょう
- 1日2回(朝晩)を目安に保湿をしましょう。ただし、乾燥がひどいときには保湿の回数を増やすことや、種類の異なる保湿化粧品(保湿剤)の重ねづけもおすすめです。
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- 使用量をまもりましょう
- 充分な保湿効果を得るためには使用量も大切です。たっぷり使いましょう。清潔な手のひらに保湿化粧品(保湿剤)をとり、両手に広げた後、まずは乾燥しやすい部分からつけていき、手のひら全体でやさしく顔をつつむようになじませましょう。
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- 化粧水だけの保湿では不充分です
- 化粧水のみの保湿でもお肌は一時的にしっとりしますが、敏感肌や乾燥肌などのバリア機能が低下しているお肌では水分がすぐに蒸散してしまうため乾燥しやすくなります。乳液やクリームなど複数の保湿化粧品(保湿剤)を併用し油分を補うと、お肌のうるおいを保つ皮脂膜の役割をしてくれるため保湿効果が高くなります。
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- その他のポイント
こすりすぎや強いパッティングはお肌への刺激になります。
敏感肌ではコットンの繊維によってかゆくなったり、パッティングをすることで赤くなってしまうことがあります。保湿化粧品(保湿剤)は手でつけることをおすすめします。保湿感が足りない時は、さらに重ねてつけましょう。
先につけた保湿剤が肌全体になじんだら次の保湿剤をつけましょう。
つけ忘れた部分がないか確認しましょう。
手に余った保湿化粧品は首や手の甲などにつけましょう。
唇にはリップクリームを使いましょう。
からだも忘れずに保湿しましょう。
保湿化粧品とお薬の併用について
お肌のトラブルで皮膚科に通院されている場合には、塗り薬(外用薬)を処方されることがあります。保湿化粧品を使った後に薬を塗るのか、または薬を塗ったあとに保湿化粧品を使うのか、どちらが良いか判断に困ることもあるでしょう。まずは主治医の先生にご相談されることをおすすめします。
敏感肌・乾燥肌の保湿スキンケアのポイント
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- 皮膚のバリア機能の3つの因子を補いましょう
- 保湿のスキンケアによって、皮膚のバリア機能を構成する3つの因子である細胞間脂質、NMF(天然保湿因子)、皮脂をおぎないましょう。
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- 役割の異なる保湿剤を重ねて使いましょう
- 保湿剤を組み合わせて使用することで保湿効果が高まります。役割の異なる保湿剤を重ねて使いましょう。
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- 敏感肌向けのスキンケア化粧品を選びましょう
- 使用するスキンケア化粧品が刺激にならないよう、敏感肌向けに開発された化粧品を選びましょう。これらの化粧品では開発段階でお肌に刺激を与えないか確認がされており、さらに敏感肌の方が実際に使用する使用テストがおこなわれていることも多くあり、安心です。
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- お肌に合うかチェックしましょう
- お肌の状態は人それぞれです。本格的に使い始める前に、サンプルやテスター、トライアルセットなどで自分のお肌に合うかどうかを試してみることをおすすめします。
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- 正しく使いましょう
- どんな化粧品も自己流の使い方ではせっかくの効果が充分得られないこともあります。使用する手順や使用量など説明書をよく読んで正しい使い方をまもることが大切です。
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