敏感肌・乾燥肌の洗顔で大切なこと −皮膚のバリア機能をまもる洗顔とは−
洗顔後にお肌がつっぱる・赤みが出る・かゆくなる・刺激を感じるといった経験はありませんか?
敏感肌や乾燥肌の方は、乾燥や刺激からお肌をまもる皮膚のバリア機能が低下しています。このため、間違った洗顔によって必要以上に皮脂などのうるおい成分を落としてしまうと、お肌はさらに乾燥し、刺激に敏感になってしまいます。
洗顔料を使って洗うとお肌が乾燥してしまうから・・・、と洗顔料を使わずに水やお湯だけで洗顔をしている方もいるかもしれません。
洗顔は、皮膚表面の汚れを落とし、お肌を清潔に保つ大切なスキンケアの一つです。
一日を過ごしたお肌には、酸化した皮脂や汗、古い角質、空気中の埃などが付着しています。皮膚の汚れはお肌への刺激となり、お肌が敏感になったり、乾燥や肌あれなどのトラブルが気になるお肌に悪影響を及ぼすこともあります。
特に、余分な皮脂などの油性の汚れは水やぬるま湯だけでは落としきれません。清潔で健やかなお肌を保つためには洗顔料を使って、洗顔をすることが必要です。
洗顔はお肌の汚れを落とすことができますが、同時に皮膚のバリア機能を維持するために必要な皮脂や細胞間脂質、天然保湿因子も洗い流されてしまいます。
敏感肌や乾燥肌の方の洗顔では皮膚のバリア機能をまもって洗うことが大切です。汚れをきちんと落とすだけでなく、お肌へのやさしさを考えた洗浄成分で、細胞間脂質などの皮膚にとって大切な成分は落とさないような洗顔料を選びましょう。また泡立てずにごしごしこするように洗顔すると、摩擦による刺激で肌トラブルにつながります。正しい洗顔方法を取り入れましょう。
- 皮膚のバリア機能をまもる正しい洗顔とは
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- お肌にやさしい洗顔料
- 汚れをきちんと落とす
- お肌へのやさしさを考えた洗浄成分
- お肌のうるおい成分(皮膚のバリア機能の3因子)を落としすぎない
- 正しい洗顔方法
- お肌にやさしい洗顔料
皮膚のバリア機能をまもる正しい洗顔をおこなうことで、お肌への刺激の原因を取り除くだけでなく、その後に使用する保湿剤なども効果的に使用することができます。皮膚のバリア機能を低下させないよう適切な洗顔料を選び、お肌にやさしい方法で洗顔をすることで美しいお肌に導きましょう。
敏感肌・乾燥肌のための洗顔料の選び方
敏感肌や乾燥肌の方はお肌に合った洗顔料を選ぶのが難しいと思うこともあるかもしれません。
バリア機能が低下した敏感肌・乾燥肌の方には、お肌への負担が少なく、お肌の汚れをきちんと落としながら、うるおいを保ってくれる洗顔料がおすすめです。まずは敏感肌向けに開発された低刺激性のものを選びましょう。
お肌へのやさしさを考えた洗浄成分とは
洗顔料に含まれる洗浄成分は、「脂肪酸石けん」「合成界面活性剤」の2つに大別できます。
敏感肌・乾燥肌の方には洗浄成分として主に脂肪酸石けんが配合されている洗顔料がおすすめです。
洗顔料に含まれる洗浄成分
脂肪酸石けん | きめ細かい濃密な泡立ちで、泡ぎれもよいため洗い流しやすい 弱アルカリ性 |
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合成界面活性剤 | 軽やかな泡立ち 弱酸性と書いてあるものは合成界面活性剤を主体にしたものが多い |
洗浄力がマイルドな洗浄成分では、お肌の汚れをしっかりと落とすことができず、残った汚れは刺激やにきび、毛穴の黒ずみなどの肌トラブルの原因になります。一方、洗浄力が強い洗浄成分は成分自体がお肌への刺激になります。お肌に残った洗浄成分も刺激の原因になるので注意が必要です。
脂肪酸石けんにもさまざまな種類がありますが、「ミリスチン酸」「パルミチン酸」「ステアリン酸」「オレイン酸」は洗浄後にお肌に残りにくく、お肌にやさしい特長があります。また余分な皮脂は落とし、必要なうるおい成分は落とさない適度な洗浄力を持っています。商品に記載されている成分を参考にしましょう。
同じ脂肪酸石けん成分でもラウリン酸はお肌に残りやすく、刺激になることがあるため、敏感肌や乾燥肌の方は避けるようにしましょう。
お肌のうるおいをまもって洗う洗顔料とは
洗顔では、お肌のうるおい成分である細胞間脂質、アミノ酸などの天然保湿因子も洗い流されてしまうため、洗顔後のお肌は乾燥しやすくなります。
洗顔料中の洗浄成分の種類によってはこれらのうるおい成分を必要以上に落としすぎてしまうこともあります。お肌にやさしい脂肪酸石けん主体の適度な洗浄力の洗顔料は、お肌のうるおい成分であるコレステロールをまもって洗うことができます。
またうるおいを保つためにグリセリンやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された洗顔料もおすすめです。
乾燥感を感じにくいしっとりとした洗い上がりのものを選びましょう。
敏感肌・乾燥肌の方におすすめの洗顔料の種類(タイプ)
洗顔料にはクリーム(フォーム)タイプ、固形石けんタイプ、泡状(泡で出てくる)タイプ、パウダータイプなどの種類があります。
クリームタイプ、固形石けんタイプはしっかりと泡立てて使いましょう。
他にもパウダータイプやスクラブタイプ、ジェルタイプなどがあります。パウダータイプはきちんと泡立てないとパウダー自体が物理的な刺激になることがあります。スクラブタイプは、ざらざらとした粒子で汚れやごわつきが気になる鼻の角質を取り除くのには効果的ですが、敏感肌の方にとってお肌に刺激を与える可能性が高いので注意が必要です。
お肌にやさしい洗顔のポイント
お肌に合った洗顔料を使っていても洗顔方法が間違っていると、お肌への負担になったり、刺激を与えてしまうことがあります。ここではお肌に負担をかけない洗顔のポイントをお伝えします。
お肌にやさしい洗顔のポイント
@ 洗顔料はよく泡立てる A ぬるま湯でていねいにすすぐ B 洗顔後はすぐに保湿をする |
洗顔料はよく泡立てましょう −泡洗顔のメリット−
お肌に負担をかけないためには、弾力のあるきめ細かいたっぷりの泡でお肌をこすらずにやさしく洗うことが大切です。
洗顔をするとき、どのくらい泡立てていますか?理想的な泡は左の写真です。
なぜよく泡立てて洗顔することがお肌にやさしいのでしょうか。これには主に3つの理由があります。
- 泡洗顔のメリット
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- 洗浄成分が適度な濃度になり、お肌への刺激が少なくなる
- より少ない量の洗顔料(洗浄成分)で、お肌にやさしく汚れが落とせる
- 泡の表面積が増え、汚れがくっつきやすくなり、効率的に洗顔できる
- 泡のクッションで、お肌にやさしく洗顔できる
- 手とお肌が直接あたらないので、摩擦が減り、刺激が少なくなる
このように洗浄成分や摩擦による刺激を感じやすい敏感肌・乾燥肌でも、よく泡立てることでお肌に負担をかけずに洗顔することができます。
洗顔料の泡立て方
手のひらに洗顔料を適量とり、ぬるま湯を少しずつ加えながら、空気を巻き込むように泡立てましょう。
泡立てが苦手な方は、泡立てネットや泡状(泡で出てくる)タイプの洗顔料を活用しましよう。泡立てネットを使うと簡単にきめの細かい泡を立てることができます。
洗顔をするときはごしごしこするのではなく、手と泡で顔をはさみ込むように洗顔しましょう。
メイクをしているときは、洗顔前にクレンジング(メイク落とし)でメイクを落としてから洗顔しましょう。
ぬるま湯でていねいにすすぎましょう
すすぎの温度も重要です。とくに寒い時期などあついお湯ですすいでいませんか?あついお湯ですすぐと、お肌はより乾燥してしまいます。触ったときに熱いとも冷たいとも感じにくい35〜38℃くらいのぬるま湯ですすぎましょう。
また洗浄成分がお肌に残ってしまうと、お肌への刺激など肌トラブルにつながります。髪の生え際やフェイスライン、小鼻のまわりなどは洗顔料が残りやすいので、特にていねいにすすぎましょう。最後に、鏡ですすぎ残りがないか確認する習慣をつけましょう。
洗顔後はすぐに保湿しましょう
洗顔後は洗顔前よりお肌が乾燥してしまうので、5分以内を目安にできるだけ早く保湿しましょう。化粧水だけでなく、美容液、乳液、クリームなどを重ね付けすることも大切です。
(敏感肌・乾燥肌の洗顔料の使用方法について、詳しくは「敏感肌・乾燥肌の洗浄(クレンジング、洗顔)の基本」をご覧ください)
敏感肌・乾燥肌の洗顔料のまとめ
皮膚のバリア機能をまもって洗うことが大切です
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- お肌にやさしい洗顔料を選びましょう
- 敏感肌・乾燥肌の方は汚れをきちんと落とすだけでなく、お肌へのやさしさを考えた洗浄成分で、お肌のうるおい成分を落としすぎない低刺激性の洗顔料を選びましょう。
洗浄成分として、「ミリスチン酸」「パルミチン酸」「ステアリン酸」「オレイン酸」などの脂肪酸石けんが主体のもの、さらに「グリセリン」や「ヒアルロン酸」などの保湿成分が配合された洗顔料もおすすめです。
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- 洗顔方法にも気をつけましょう
- お肌に合った洗顔料を使用していても洗顔方法が間違っていると、それがお肌への刺激になる場合があります。
泡のクッションでやさしく洗い、ぬるま湯でていねいにすすぎましょう。
洗顔後はすぐに保湿をすることも大切です。
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