目次
にきび肌も保湿が大切
なかなか治らない、治ってもまたできてしまう・・・、繰り返しできるニキビ(にきび)。思春期から長年にきびにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
にきび肌では皮脂が多く、お肌は乾燥していないと考えがち。皮脂によるべたつきや化粧品によるにきびの悪化が気になって、保湿を控えているというにきび肌の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はにきび肌の方にも保湿はとても大切です。
保湿が充分でないとお肌が乾燥し、ターンオーバーが乱れます。そうすると角層が厚くなって古い角質が毛穴を塞いでしまい、にきびの原因になります。また適度な保湿をすることでお肌がととのい、過剰な皮脂もコントロールされます。
乾燥からはじまるにきびのメカニズム
(にきびの原因について、詳しくは「にきび肌のスキンケアで大切なこと」をご覧ください)
メイク落とし(クレンジング)や洗顔で過剰な皮脂や汚れを取りのぞきお肌を清潔にしたあとは、化粧水(フェイスローション)でお肌にうるおいを与え、にきびのないなめらかな美肌を目指しましょう。
にきび肌用化粧水の選び方 4つのポイント
ニキビ肌(にきび肌)の方はにきび肌用化粧水を選びましょう。一方で、にきび肌用化粧水はいろいろあって、どれがお肌に合うのか迷ってしまうこともあると思います。にきび肌向けの化粧水の多くは「にきび肌用化粧水」「アクネケアローション」「ニキビケアローション」などと記載されていますが、それ以外にも選び方のポイントがあります。
- にきび肌用化粧水の選び方 4つのポイント
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- ノンコメドジェニックテスト済み※1
- にきびの原因にアプローチする処方
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アクネ菌対策
アクネ菌の栄養源になりにくい成分、アクネ菌が増えにくいpH、穏やかな作用の抗菌・殺菌成分 -
皮脂対策
お肌のうるおいのバランスをととのえ、てかりやべたつきをおさえる -
角質・毛穴対策
毛穴のつまりを考慮した成分、適度な保湿でやわらかくなめらかなお肌にととのえる
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アクネ菌対策
- 無香料・無着色
- パッチテスト済み※2、アレルギーテスト済み※2
※1 すべての方に、にきびができないわけではありません。
※2 すべての方に、アレルギーが起こらないわけではありません。
まずは「ノンコメドジェニックテスト済み」という表記があるか確認しましょう。
ポイント@ ノンコメドジェニックテスト済み
「ノンコメドジェニックテスト」とは、製品を繰り返し皮膚に塗布してにきびのもと(コメド)ができないことを確認する試験のことです。
「ノンコメドジェニックテスト済み」の表記があれば、にきびができにくい化粧水であると言えます。
ポイントA にきびの原因にアプローチする処方
にきびは「アクネ菌」「皮脂」「毛穴のつまり」の3つの因子が原因となってできます。
この3つの因子にアプローチする処方であることもポイントです。アクネ菌に対する抗菌作用や殺菌作用を有する成分が配合された医薬部外品(薬用化粧品)の化粧水を選びましょう。
さらに、にきび肌も皮膚のバリア機能が低下し、お肌は敏感な状態です。ポイント@、Aに加えて、パッチテストやアレルギーテストなど敏感肌向け化粧品と同様のテストをおこなっているものを選ぶとよいですね。
アルコール(エタノール;エチルアルコール)は、お肌への刺激の面から避けたいと思われがちな成分ですが、広く一般的に使用されている成分で、清涼感を与え、浸透感を高め、お肌を引き締めるなどの効果があり、またさまざまな成分を溶かすために化粧品に配合されます。アルコールにアレルギーのある方を除き、低い濃度であればお肌に悪影響を及ぼすことは少ないと考えられています。気になる方はアルコールフリー(無添加)のものを選びましょう。また「無添加化粧品」と呼ばれる化粧品の定義や基準はありません。各メーカーによって、アルコール(エタノール)、香料、パラベン、鉱物油などのある種の成分を配合していないことを表していますが、何を配合していないかをよく確認しましょう。
(にきび肌のための保湿化粧品(保湿剤)の選び方について、詳しくは「にきび肌の保湿の基本」をご覧ください)
大人にきび肌におすすめの化粧水
思春期にはできなかったのに、大人になってにきびが気になるようになった方もいらっしゃると思います。大人にきびは生活習慣、ホルモンバランス(生理など)、ストレス、間違ったスキンケアなどさまざまな原因が考えられます。お肌が乾燥し、肌あれによって角層が厚くなり古い角質が毛穴をつまらせ、にきびができてしまう、乾燥によるにきびが多いのが大人にきびの特徴です。
また大人にきびでは、肌あれや乾燥、毛穴、しみ・そばかすなど、にきび以外の肌悩みも抱えています。
大人にきび肌の肌悩み
にきびが治ると、にきび以外の肌悩みのケアのために、にきび肌用化粧品を使うのをやめてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、にきび肌用化粧品でもこれらの肌悩みをケアできるものがあります。肌悩みに合わせて選び、にきびを予防しながら美しいお肌を目指しましょう。
乾燥や刺激が気になる大人にきび肌
お肌が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下して外部刺激に敏感になっているデリケートな大人にきび肌には、保湿成分がたっぷりと配合されたお肌にやさしい使い心地のにきび肌用化粧水を選びましょう。おすすめの保湿成分は、アミノ酸(ベタイン)やヒアルロン酸です。グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、アラントインなどの抗炎症成分やビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)は肌あれを予防してくれます。
毛穴・しみ・てかりも気になる大人にきび肌
にきびだけでなく、毛穴のつまり、黒ずみ、しみ、にきび痕、てかりも気になる・・・。
にきび以外の肌悩みも気になる大人にきび肌には、グリコール酸(AHA;α−ヒドロキシ酸、フルーツ酸)やサリチル酸(BHA;β−ヒドロキシ酸)などが配合されたマイルドピーリング*作用のある弱酸性の化粧品がおすすめです。古い角質や毛穴のつまり・黒ずみ、過剰な皮脂を取りのぞき、にきび予防とともにやわらかく透明感のある美しいお肌へと導きます。
*マイルドピーリング:肌表面の古い角質を洗い流す
てかりやべたつきが気になる方は皮脂の分泌を抑制するビタミンB2(リボフラビン)が配合されている化粧水を選びましょう。大人にきび肌におすすめの成分をまとめます。
大人にきび肌におすすめの成分
お肌にうるおいを与える | アミノ酸(ベタイン)、ヒアルロン酸 |
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炎症をおさえる | グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、アラントイン |
肌あれ予防 | ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン) |
皮脂分泌をおさえる | ビタミンB2(リボフラビン) |
抗酸化作用 | ビタミンE、ビタミンC・E誘導体(VC誘導体) |
ピーリング作用 お肌をやわらかくなめらかにととのえる |
グリコール酸、乳酸(AHA;α−ヒドロキシ酸、フルーツ酸) サリチル酸(BHA;β−ヒドロキシ酸) |
拭き取りタイプのにきび肌用化粧水もありますが、拭き取るときにお肌をこするとにきびに刺激を与えてしまうため、手でつけるタイプの化粧水の方がおすすめです。
10代・思春期にきび肌におすすめの化粧水
思春期はホルモンのバランスが変化し、皮脂が増えます。にきびは思春期に経験することが多いため、皮脂が原因と思われがちですが、皮脂だけが原因ではありません。生活習慣の乱れ・間違ったスキンケアなど、さまざまな要因によってお肌のターンオーバーが乱れ、古い角質や過剰に分泌された皮脂などで毛穴がつまることによってはじまります。
まだスキンケアの習慣があまりない10代。皮脂やてかり、べたつきが気になるからと、洗顔はしっかりおこなっていても保湿が不充分な場合があります。
10代・思春期にきび肌でも保湿はとても大切です。適度な保湿をすることで過剰な皮脂もコントロールされます。
べたつきが気になるときは、オイルフリーや使用感が心地よいものを使い、洗顔とともに保湿をすることを毎日の習慣にしましょう。
アクネ菌対策として、感光素201号などのおだやかな作用の抗菌成分やアラントインなどの肌あれ予防成分が配合されている化粧水でお肌をととのえましょう。
屋外での活動が多い方は、にきびの悪化予防のために、紫外線対策も忘れずに。
男性のにきび肌におすすめの化粧水
男性はホルモンの影響で女性よりも皮脂分泌が多い傾向にあります。にきびは思春期に経験することが多いため、皮脂が原因と思われがちですが、過剰な皮脂分泌だけではありません。お肌の乾燥もその一つです。保湿が充分でないとお肌が乾燥し、ターンオーバーが乱れ、古い角質や過剰に分泌された皮脂が毛穴を塞いでしまい、にきびの原因になります。
男性でも保湿はとても大切です。適度な保湿をすることで過剰な皮脂もコントロールされ、てかりも抑えることができます。化粧水を使ってお肌をととのえましょう。
最近ではメンズ用のスキンケア用品も市販されていますが、化粧品は年齢や性別に限らずお使いいただいて問題はありません。メンズ用に限らずにきび肌用の化粧水を選びましょう。てかりやべたつきが気になる方には、思春期のにきび肌と同様にオイルフリーのものやさっぱりタイプの化粧水を選びましょう。
本格的に使い始める前に、サンプルやテスター、トライアルセットなどでお肌に合うかどうかを試してみましょう。
マスク着用時のにきび肌のスキンケア
最近は花粉症対策や風邪・ウイルス対策で一年中マスクを着用するようになっています。マスクの着用が習慣化する前と比べると、にきびの悩みが増えています。
マスク着用によってにきびの状態は変わりましたか?
マスク着用中は呼気によってマスク内は蒸れ、角層が膨潤しています。この状態でマスクとお肌がこすれると摩擦刺激となり、皮膚のバリア機能が低下することで毛穴がつまり、にきびの原因となります。
マスクにきびが気になるお肌では、皮膚のバリア機能が低下し、お肌は敏感になっています。にきびのもとになりにくいことを確認した「ノンコメドジェニックテスト済み」、低刺激性のにきび肌用化粧水でお肌にやさしいスキンケアをしましょう。
(にきび肌用化粧品について、詳しくは「にきび肌のスキンケアで大切なこと」をご覧ください)
化粧水の使い方 3つのポイント
お肌に合った化粧水を使っていても、間違った使い方はにきびを悪化させてしまうことがあります。にきび肌用化粧水を選び、正しいスキンケアできちんとお手入れしましょう。
- 化粧水の使い方 3つのポイント
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- 洗顔後はすぐに保湿
- 適量は100円硬貨大2コ分
- 手のひらでやさしく
ポイント@ 洗顔後はすぐに保湿
洗顔後のお肌は洗う前よりも乾燥しやすい状態です。洗顔後すぐに化粧水で保湿し、つづいて保湿ジェルや乳液、クリームなどを重ねて使うことで保湿効果が高まりうるおいを保つことができます。
ポイントA 適量は100円硬貨大2コ分
手のひらに100円硬貨大をとり、乾燥しやすい頬や目もと・口もとから顔全体になじませます。さらに100円硬貨大をとり、乾燥が気になる部分に重ねづけすると効果的です。
ポイントB 手のひらでやさしく
化粧水をつけるとき、パッティングしたり、コットンでふきとるようにしていませんか?パッティングやコットンでのふきとりは、にきびに刺激を与えてしまうことがありますので、手でつけることをおすすめします。
清潔な手のひらに化粧水をとり、乾燥しやすい部分から顔全体にやさしくなじませます。最後は手のひら全体で顔をつつむようになじませましょう。
(にきび肌のための保湿のスキンケアについて、詳しくは「にきび肌の保湿の基本」をご覧ください)
にきび肌の化粧水のまとめ
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- にきび肌向けの化粧水を使いましょう
- にきび肌の方も保湿のスキンケアは大切です。ノンコメドジェニックテスト済みのにきび肌用化粧水を選びましょう。
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- お肌の状態や悩みに合わせて選びましょう
- 年代や性別でお肌の状態や悩みは異なります。ご自身のお肌に合わせて選びましょう。
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- にきびに刺激を与えないように正しく使いましょう
- 洗顔後すぐに100円硬貨大2コ分の化粧水を手のひらでやさしくつけます。コットンで拭き取ることは刺激になるため避けましょう。
- 関連記事
- にきび肌のスキンケアで大切なこと
にきびが気になる方のために、にきびの原因となる3つの因子やスキンケアの基本、スキンケア化粧品の選び方、スキンケア方法のポイントについてご紹介します。
- にきび肌の保湿の基本
保湿化粧品(保湿剤)の種類や選び方、おすすめの成分、スキンケア方法など、にきび肌の方の保湿のスキンケアで大切なことについてご紹介します。
- にきび肌の乳液
乳液はにきびが悪化しそう、と化粧水だけで済ませていませんか?にきび肌の方も気持ちよく使えるにきび肌用乳液の選び方や使い方のポイントをご紹介します。