日やけ止め(日焼け止め)を
選ぶポイント
敏感肌の場合、お肌はとてもデリケートなので
日やけ止め(サンスクリーン剤)によって肌がさらに荒れたりしないか、
刺激を受けたりしないか、心配される方が多くいます。
どのように日やけ止めを選べばよいのでしょうか。
最近では,敏感肌用の日やけ止めでもクリームやスプレー、
ジェルなどがでてきていますので、日常生活やスポーツ、レジャーなど、
様々な利用シーンによって日やけ止めを使い分けてすることもできます。
今回は敏感肌の方におすすめの「日やけ止めを選ぶポイント」と、
「日やけ(日焼け)が敏感肌に与える影響」についてご紹介します。
TOPICS@ 日やけ止め(日焼け止め)のタイプと特徴(剤型)
TOPICSA 紫外線の基礎知識
一年間を通じて紫外線対策は必要です。また「とりあえず日やけ止めを塗って外出すれば大丈夫」と思っていませんか?
季節によって紫外線対策の方法を変える、日やけ後のケアなども合わせておこなうことも大切です。自分にあった日やけ止めを選ぶのととともに、紫外線の特徴についても知っておきましょう。
紫外線とは
紫外線は太陽光線の一部です。波長が短いために目には見えませんが強いエネルギーをもっています。波長によって長波長紫外線(UV-A)・中波長紫外線(UV-B)・短波長紫外線(UV-C)に分かれます。地上にはUV-AとUV-Bが届いています。
- UV-C:
- オゾン層を通過する時点で散乱もしくは、吸収されるため地上には届きません。エネルギーがとても強く、浴びると細胞組織に損傷を与えます。オゾン層の破壊が環境問題になっているのはこのためです。
- UV-B:
- 中間の波長の紫外線で皮膚の表皮まで達します。皮膚に対して直接的な作用が強く、長時間にわたって浴びると紅斑(サンバーン)が生じ、ひどい場合は水疱が生じます。
- UV-A:
- 波長が長いため皮膚の深く真皮まで達し、光老化(しみやしわ)の原因にもなります。UV−Aを浴びた時には皮膚の変化はあまりわかりませんが,くり返し浴びることでしわやたるみといった皮膚症状が進みます。
紫外線の皮膚への影響
紫外線は皮膚にさまざまなダメージを与えます。例えば,日本では少ないと言われていた
皮膚がんも紫外線が原因で増えてきていると報告されています。18歳になるまでに私たちは一生に浴びる紫外線の約1/2の量を浴びると言われており、乳幼児からの紫外線対策が必要です。
- 活性酸素:
- 紫外線により生じる活性酸素は,からだのさまざまな成分と反応し細胞の破壊や変性を引き起こします。
- 線維変性:
- 真皮中の膠原線維(コラーゲン)や弾性を保つために働く弾力線維(エラスチン)の変性を引き起こし、皮膚を萎縮させ肌の弾力を失わせ、しわやたるみを作ります(光老化)。
- 細胞傷害:
- DNAに損傷を与え、皮膚がんを発生させる恐れがあります。
- メラノサイト活性化:
- 紫外線からからだを守るためにメラノサイトにおいてメラニンがつくられますが、くり返し紫外線を浴びることによってメラニンが過剰に生成され色素沈着を起こします。
敏感肌は紫外線の影響を受けやすい?
敏感肌は
バリア機能が低下しているため、角層中の水分が少なくなりやすく紫外線による肌ダメージを起こしやすい状態です。健やかなお肌を維持するために、朝・晩のスキンケアとともに正しい紫外線対策が必要です。
TOPICSB 日やけ止め(日焼け止め)の選び方
日やけ止めには、紫外線カット効果の目安が表示されています。
例:SPF35,PA+++
- SPF:
- UV−Bに対する遮光効果を示す指標です。数値が大きいほどUV−Bの防止効果が高くなります。
- PA:
- UV−Aに対する遮光効果を示す指標です。SPFとは違い+・++・+++・++++の4段階で示します。+の数が多いほど、UV−A防止効果は高くなり、UV−Aの皮膚への負担を軽減します。
ただし、数値が高いから安心というわけではありません。長時間日光にあたる場合は、汗や皮脂などによって、つけた日やけ止めが部分的にかたよったり、浮き上がることもあります。また無意識に手やタオルでこすったり、拭いたりすることもあります。できれば、2〜3時間ごとにつけ直すことがおすすめです。落とすときは専用のクレンジングや洗顔料で丁寧に落としましょう。
紫外線を防ぐ成分には主に「紫外線吸収剤(ケミカル)」と「紫外線散乱剤(ノンケミカル)」の2種類があります。紫外線吸収剤は、紫外線のエネルギーを紫外線吸収剤で吸収することから、敏感肌にとって刺激になる場合があります。紫外線散乱剤は、紫外線を反射することから、お肌への刺激は少ないと考えられており敏感肌の人におすすめの成分です。
詳しくは「紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)とは」記事ページをご覧ください。
おすすめの敏感肌用日やけ止め(日焼け止め)
敏感肌の日やけ止めに必要な3つのポイントを紹介します。
1.肌へのダメージが少ない(低刺激)日やけ止め(日焼け止め)を選ぶ
敏感肌の場合、バリア機能が低下しています。健康なお肌でも同じことがいえますが、特に敏感肌の場合、お肌に刺激になるものを避けることが大切です。低刺激性・無香料・無着色などの日やけ止めを選ぶとよいでしょう。
2.敏感肌だからこそやさしくしっかりケアを
紫外線対策として、SPFやPA値の高い日やけ止めを選んで塗布することはとても効果的ですが、ウォータープルーフタイプ効果が高い分、普段と同じクレンジングでは落としきれないといったお肌にとって負担となることもあります。日やけ止めをきちんと落としきれない場合、お肌に悪影響を与え、乾燥肌・敏感肌をさらに加速させてしまうこともあります。日やけ止めを塗布したときは、普段よりも意識してやさしく丁寧にクレンジングするようにしましょう。
3.十分な紫外線防止効果のある日やけ止め(日焼け止め)を選びましょう。
敏感肌の方は、特に肌に炎症を起こす作用があるUV−Bに注意が必要です。SPF値が20〜30程度の日やけ止めであれば、ある程度のUV−Bをカットできますが、敏感肌の方は健康なお肌に比べ、紫外線によるダメージを受けやすいため、「しっかりカット」する必要があります。
生活スタイルによって日やけ止めを使い分けるようにしましょう。日常生活においては、紫外線を浴びる時間はさほど多くないと思いますので、「SPF値15〜30、PA値++」程度で、洗顔料や石けんで落とすことができる日やけ止めがよいしょう。
スポーツやレジャーなどの場合は「SPF値30〜50、PA値+++〜++++」程度で、汗をかいても落ちにくいようウォータープルーフ性があるものがよいでしょう。ただ、いくら遮光効果が高くても、汗などをかいてこすってしまうと落ちてしまいますので、2〜3時間ごとに塗り直しをする必要があります。