敏感肌用乳液を選ぶポイント

敏感肌用乳液を
選ぶポイント

敏感肌や乾燥肌の方は、お肌のバリア機能が低下しているため、
外からの刺激を受けやすい肌状態です。
そこで大切になるのが「保湿」ですが、
保湿化粧水でお肌にたっぷり水分を与えても、
乳液などで水分を保持しないと、うるおいはすぐに逃げてしまいます。
今回、乳液の必要性から適切な使い方などをご紹介します。

スキンケア 研究所 乳液編

TOPICS@乳液の必要性

お肌には通常、保湿機能がそなわっていて、お肌の表面は皮脂で覆われています(これを皮脂膜といいます)。
また角層細胞の中では、NMF(天然保湿因子)が水分を抱きかかえ、さらに、角層細胞の間はセラミド(細胞間脂質)がすきまを埋め、 水分を保っています。このお肌の保湿機能は、外部からのさまざまな刺激から体をまもる「皮膚のバリア機能」にとってとても大切なものです。
ところが間違ったスキンケアなどによって、皮膚のバリア機能が低下すると角層細胞の間にすきまができ、 皮膚が乾燥し、外界からの刺激物質、アレルギー物質、細菌などが侵入しやすくなります。

低下した皮膚のバリア機能を補うために保湿化粧品(保湿剤)で保湿をしましょう。保湿化粧品(保湿剤)は大きく、化粧水、美容液、乳液、クリームに分けられ、それぞれにお肌の保湿にとっての重要な役割があります。これらの作用を持つ保湿化粧品(保湿剤)を組み合わせることによって保湿効果を高めることができます。

化粧水:角層へ水分を補給する
美容液:保湿成分や美容成分を補給する
乳液:角層の水分・保湿成分を維持する
クリーム:皮膚表面で油の膜をつくり水分の蒸散を抑える

化粧水やクリームを使っていれば乳液は必要ないと思われる方もいるかもしれません。乳液の特長は水分と油分がバランスよく配合されている点です。したがって水分の多い化粧水と油分の多いクリームとの間のつなぎとなって、水性の保湿成分と油性の保湿成分を効率的にお肌に補うために重要な役割をもっています。

TOPICSA敏感肌用乳液の選び方

敏感肌の方は、まずは敏感肌向けに開発されたものを選びましょう。
これらは配合成分が厳選されており、お肌への刺激の程度を確認したものが多いため、敏感肌の方にオススメです。まずはサンプルやトライアルセットなどを試用してお肌に合うか確認しましょう。
敏感肌や乾燥肌の方は低下したお肌のバリア機能を補うことが大切です。お肌のバリア機能を補うバリアの3因子を意識して選びましょう。バリアの3因子とは皮脂、細胞間脂質、天然保湿因子の3つです。皮脂の役割を補う成分としてはコレステロールやスクワラン、細胞間脂質を補う成分としてはセラミド、天然保湿因子を補う成分にはアミノ酸などがあげられます。バリア機能を担う保湿成分のうち、重要な役割を有する成分として「セラミド」があります。前述のように、セラミドは細胞間脂質の主要な成分で、角層細胞の間で水分を保つ重要な役割を担っています。敏感肌の方はこのセラミドが健康なお肌の方よりも少ないことが知られており、これが乾燥肌の原因のひとつにもなっています。
セラミドは保湿化粧品で外から補うことができます。しかしセラミドは水に溶けにくい成分ですので、化粧水には多くの量を配合することはできません。化粧水よりも油分が多い保湿美容液や乳液でセラミドを補い、クリームで最後にふたをしてあげるのが効果的です。

使用の際の注意点

前述のとおり、敏感なお肌のケアには刺激を極力避ける必要があります。お肌に合った乳液を選んだら、使い方にも気を付けましょう。間違った使い方によってお肌のバリア機能を低下させてしまうことがあります。ポイントは以下の2つです。

1.適量を使用する
使用量が少ないと、期待される保湿効果が得られません。商品に記載されている使用量をまもりましょう。
2.こすらずやさしく塗布する
乾燥しやすいほほや目もと・口もとなどからつけ、顔全体にやさしくなじませます。手のひら全体で顔を包むようになじませましょう。

TOPICSB乳液とクリームの違い

乳液とクリームはどちらも「化粧水で補ったうるおいを保つこと」と、「油分の膜をはってお肌を保護すること」を第1の目的にしたスキンケアアイテムです。
同じ目的をもった乳液とクリームの違いは、「油分」です。ここでは両者の違いをご紹介します。

肌に水分と油分をしっかり蓄える乳液

乳液はクリームと同じ乳化物ですが、その違いは水分と油分の比率です。乳液はクリームよりも油性成分が少ないため、のびがよくみずみずしくさっぱりとした使用感が特長です。水分と油分がバランスよく配合されているため、水分の多い化粧水と油分の多いクリームの間のつなぎとして使用することで肌なじみがよくなり、保湿に効果的です。

肌の潤いをキープするクリーム

クリームは乳液よりも油性成分が多く、水分蒸散抑制作用が高いアイテムです。油性成分によってお肌の表面に油分の膜を張り、水分の蒸発を抑えます。乾燥しやすい冬場や乾燥肌の方は積極的に使用しましょう。

乳液とクリームの使い分け

前章でお伝えしたとおり、乳液とクリームはどちらも同じ「うるおいを保つこと」「お肌を保護すること」が目的のアイテムです。
乳液とクリームの使い分けに悩むことがあるかもしれません。もちろん乳液の後にクリーム、と重ねづかいすることをおすすめしますが、お肌の乾燥度合いや季節に合わせて選択してもよいでしょう。
暑い夏場や脂性肌の方は皮脂量も増えていますので、無理にクリームを使用する必要はありません。一方で、乾燥肌の方や乾燥しやすい冬場には乳液の後にクリームを使用してしっかりと保湿しましょう。