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皮膚には、外界からの刺激物質、細菌などの異物(アレルゲン)の侵入を防ぐためのバリア機能という仕組みが備わっています。しかし、皮膚のバリア機能を突破されてしまう場合があります。
その際に自己を防御するため、「免疫」という機能がはたらきます。皮膚の赤みは、免疫反応の一つであり、生体を防御するために起こる炎症反応の結果の一つです。
B細胞、免疫細胞、リンパ球などが、血流にのって患部に届けられ炎症を抑制するための対処をします。そのため、一時的に毛細血管が拡張し、患部に向かって血流量が増加します。表皮部分はおよそ0.2mm程度しかないため、拡張した毛細血管の赤みは表皮を通して目で見て確認することができます。これが、赤みが起こるメカニズムです。
生活習慣(下表参照)が原因で赤みが出やすくなっているような場合には、生活習慣を見直すことで改善することがあります。
お肌に赤みが伴っている状態は弱い炎症反応が慢性的に起こっており、その状態が長く続くと色素沈着を起こす可能性があります。
また、炎症性サイトカインが産生されている状態のため、しみやしわなど皮膚の老化にもつながりやすくなっています。そのため、早い段階で治療をする、また使用している化粧品が合わないときは使用を見直すなどの対処が必要となります。
健康なお肌は、水分と油分のバランスが整っています。しかし、皮膚のバリア機能が低下し、このバランスが崩れると水分が維持できずに乾燥し、様々な刺激を受けて炎症が起こりやすく赤みのでやすいお肌になります。
そのため、お肌を清潔に保ち、皮膚のバリア機能を正常に保てるような毎日のスキンケアが重要です。
また、忙しいと乱れがちになる生活習慣。健康的な生活習慣はお肌の健康のためにも重要です。生活習慣の乱れは、敏感肌の赤みの原因にもなります。お肌の状態がどうしてもよくならないときは生活習慣を見直してみましょう。
食事 | 一日3食バランスよく取りましょう。栄養バランスが崩れるとお肌にも影響がでやすくなります。間食の取りすぎにも注意しましょう。 |
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睡眠 | 十分な睡眠をとりましょう。不規則な生活や睡眠不足はお肌にも影響をおよぼします。 |
ストレス | 精神的なストレスは溜め込む前に運動などで発散しましょう。疲れがひどいときには、十分な休息をとりましょう。 |
身の回りを清潔に |
敏感肌の改善には外からの刺激を避けることが重要です。身の回りを清潔にすることで、お肌への刺激を最小限に抑えることができます。 枕カバーやフェイスタオルなど、毎日お肌に触れるものは清潔に保つようにしましょう。 |
嗜好品 | お酒・カフェインはとりすぎに注意しましょう。 |
喫煙 | たばこは、しみやしわなどのエイジング症状やにきび、敏感肌の原因となります。喫煙中の人は本数を減らしたり、禁煙にチャレンジしてみましょう。 |
乾燥対策 | エアコンなどの使用により室内は思っているよりも乾燥しています。加湿器を使ったり、保湿剤などでうるおいを補ってあげるのもよいでしょう。保湿成分が配合されたミスト化粧水であればメイクの上からでも使えておすすめです。 |
衣類のこすれ | 衣類とお肌のこすれは摩擦刺激としてお肌に影響を及ぼすことがあります。肌あたりのよいものを選択しましょう。 |
髪/シャンプーの残り | 髪の毛の毛先がお肌にあたることで刺激になることがあります。髪の毛はすっきりとまとめましょう。また洗浄剤の洗い残しもお肌への刺激になります。シャンプーをしたときはきちんとすすぎましょう。洗顔のときには髪の生え際の洗い残しにも注意します。 |
赤みのある敏感肌では、皮膚のバリア機能が低下しているため、刺激を与えないようにすることが重要です。特にお肌に赤みがあるときは、刺激の少ない化粧品を選択することが重要です。
お肌の赤みはできたら隠したい、でもメイクで隠すとかえってお肌に刺激をあたえてしまうのではと悩むことがあるのではないでしょうか。
しかし、メイクを楽しむことでストレスが軽減されるということもわかっています。そのため自分の肌質に合う敏感肌用のメイクアップ化粧品を選ぶことが重要になります。
敏感肌の方がベースメイクを選ぶ際は、十分な紫外線の遮光効果があり、低刺激性・パッチテスト済み・アレルギーテスト済みなど安全性が確認されているものを選ぶことが大切です。
メイクアップ化粧品には大きく分けてベースメイクとポイントメイクがあります。
ベースメイクはお肌を外部から保護し、肌色やお肌の質感を変え、顔に立体感を与えます。お肌の欠点をカバーすることによって顔を美しく仕上げる化粧品です。
ポイントメイクは目の周りやくちびるに色味を与え質感を変え、美しく魅力的にする化粧品です。
お肌の赤みをカバーするためには、イエローの化粧下地をファンデーションにプラスして使用すると、色の補正効果で自然な肌色に近づけることができ効果的です。
敏感肌の方では、正しいスキンケアを毎日おこなっていても、体調や季節などの変化によって皮膚症状が悪化することがあるかもしれません。敏感肌によるお肌の赤みは皮膚のバリア機能が大きく関与していますので、皮膚を清潔に保ち、保湿をしっかりとおこない食生活や睡眠など生活習慣を整えるようにしましょう。
一方、顔が赤くなる疾患もあります。「酒さ」は頬や鼻に赤み、小さな吹き出物、毛細血管の拡張がみられ、顔のほてりや発赤のある状態が持続し触れると熱感を感じるのが特徴です。酒さは年代を問わず発症し、湿疹やアトピー性皮膚炎、あるいはにきびと併発している場合もあります。酒さの原因はまだ明確にはわかっていませんが、紫外線、寒暖差、化学刺激、感情の変化、アルコール飲料、香辛料の摂取などによって症状が悪くなることが知られています。治療とともに生活習慣を見直すことで、症状をコントロールし悪化することを防ぐことも可能です。その他、アトピー性皮膚炎や何かにかぶれたりすることなどでも肌が赤くなります。
肌に赤みが起きた場合、敏感肌によるものの場合やアトピー性皮膚炎や酒さといった皮膚疾患によるものであったり、何かにかぶれたりしている場合もあります。ですので、自己判断であれこれ対策をとるよりも皮膚科を受診して医師の診察を受けましょう。原因を見つけたうえで、適切な処置をおこなうことが大切です。