敏感肌・乾燥肌の保湿の基本

敏感肌・乾燥肌の
保湿の基本

スキンケア 研究所 敏感肌・乾燥肌の保湿の基本

TOPICS①保湿化粧品(保湿剤)の役割について

保湿の基本的な作用は、角層中に水分を補う「湿潤作用」、保湿成分を与え保持することで皮膚に柔軟性をもたせる「柔軟作用」、水分や保湿成分などを角層中に閉じ込める「蒸散抑制作用」の3つに分類できます。

単にお肌に水をつけても、浸透することなく、またすぐに蒸散してしまうため、お肌はうるおいません。お肌を保湿するためには、お肌へのなじみを良くし、水分を保持するように成分を工夫した保湿化粧品(保湿剤)を使用することが必要です。
保湿化粧品(保湿剤)は、水分を効率的に角層内に浸透させてうるおし(湿潤)、水分を保持し(柔軟)、蒸散を抑制する(蒸散抑制)機能をもたせるために水性成分や油性成分などがバランスよく配合されています。
また保湿化粧品(保湿剤)には、化粧水(ローション)、乳液やクリームなど様々な剤型(タイプ)のものがあり、それぞれの剤型で保湿機序(保湿の仕組み)に違いがあります。お肌の状態や部位によって使い分けたり、異なる剤型の保湿化粧品(保湿剤)を重ねて使うことによって、保湿効果が高まります

敏感肌に保湿が必要な理由とは

敏感肌では、皮膚のバリア機能が低下しており、アレルゲンや紫外線などの外的刺激に対して敏感に反応し、かゆみや赤みなどの肌トラブルを起こしやすく、また水分が逃げやすいために乾燥しやすくなっています。

なぜ敏感肌になってしまうのでしょうか。

お肌には通常、皮膚のバリア機能が備わっています。皮膚の表面は皮脂で覆われていて(これを皮脂膜といいます)、角層では、アミノ酸などのNMF(Natural Moisturizing Factor, 天然保湿因子)が水分を抱きかかえ、さらに角層細胞の間をセラミドなどの細胞間脂質がすきまを埋めることによって、体内の水分が逃げないようになっています。
ところが、環境、ホルモンバランスや生活習慣などによって皮膚のバリア機能が低下すると、角層の水分を十分に保つことできなくなるため、皮膚は乾燥し、外界からの刺激物質などが侵入しやすくなります。刺激を受けた皮膚はさまざまなトラブルが起きやすく、敏感肌になってしまいます。
ですので、敏感肌にとって、バリア機能の低下を防ぎ、すこやかなお肌を保つために“保湿”はとても大切です。

保湿についてもう少し詳しくみていきましょう。

スキンケアの基本は、「洗浄」「保湿」「遮光」「メイク」の4つです。お肌を清潔にし(洗浄)、うるおいを与え(保湿)、紫外線からまもり、防ぐ(遮光)、積極的なケアで見た目を美しく装う(メイク)ことがとても大切です。

バリア機能が低下した皮膚は、水分を維持できないため、みずみずしいお肌を保てず乾燥しやすくなっています。健康で美しいお肌は、水分と油分のバランスが整っていてなめらかでうるおいがあります。
保湿化粧品(保湿剤)は、乾燥したお肌に水分を与え、同時に水分の蒸発を防ぎお肌をととのえてくれます。保湿を十分におこなうことで美肌にもつながります。

TOPICS②正しい保湿化粧品(保湿剤)の選び方について

敏感肌では、皮膚のバリア機能が低下しているので刺激物質がお肌の中に侵入しやすくなっています。低下した皮膚のバリア機能を補うために保湿をおこないましょう。皮膚のバリア機能には皮脂、天然保湿因子、細胞間脂質の3つの因子がありますので、保湿化粧品(保湿剤)でこれらの因子を補うことができるものを選びましょう。

皮脂の役割を補う成分としてはコレステロールやスクワラン、天然保湿因子を補う成分にはアミノ酸、細胞間脂質を補う成分としてはセラミドやコレステロールなどがあげられます。
これらの成分は、保湿化粧品(保湿剤)で補うことができます。保湿化粧品(保湿剤)の剤型は大きく、化粧水、保湿美容液、乳液、クリームに分けられ、それぞれにお肌の保湿にとって重要な役割があります。化粧水→保湿美容液→乳液→クリームの順に使いましょう。

  1. 化粧水:角層へ水分を補給する
  2. 保湿美容液:保湿成分を補給する
  3. 乳液:角層の水分・保湿成分を維持する
  4. クリーム:皮膚表面で油の膜をつくり水分の蒸散をおさえる

保湿化粧品(保湿剤)は保湿成分の種類や配合量によっていくつかの剤型に分けられます。「湿潤」「柔軟」「蒸散抑制作用」と一般的な保湿剤の剤型についてみていきましょう。

保湿機序 成分 保湿剤
化粧水 乳液 クリーム
湿潤 各層に
水分を補う
多価アルコール(グリセリン)、アミノ酸、水溶性高分子(ヒアルロン酸)など 浸透性が低い
柔軟 各層の
水分を保持する
セラミド、コレステロールエステルなど
蒸散抑制 皮膚からの
水分蒸発を防ぐ
スクワラン、ワセリンなど

化粧水は角層に水分を補う湿潤作用を有する成分を多く配合することができますので、保湿機序の中では特に湿潤作用が高くなります。
乳液は水分と油分で構成されますので、湿潤作用を有する成分だけではなく、角層の水分を保持する柔軟作用を有するセラミドやコレステロールなどの成分や皮膚からの水分蒸散を防ぐ蒸散抑制作用を有するスクワランやワセリンなどの油性成分も配合することができます。そのため、湿潤・柔軟・蒸散抑制作用を有します。
クリームは化粧水や乳液と比較して,油分の量が多く特に蒸散抑制作用が高い剤型です。
このように剤型によって保湿機序に違いがありますので、化粧水→乳液→クリームといったように重ねて使用することで高い効果を得ることができます。

美容液には、保湿だけではなく、美白、抗酸化、乾燥による小じわなどの様々な機能に特化したものがあります。保湿美容液の場合には、保湿効果が高い成分が多く配合されていたり、浸透性を高める工夫がされていたりなど、保湿効果や皮膚のバリア機能を高めるような工夫がされています。乾燥が特に気になる場合には取り入れてみると良いでしょう。

皮膚の乾燥度合いや使用感の好みもありますが、敏感肌では異なる作用をもつ保湿化粧品(保湿剤)を重ねて使うこと、そして一年を通して保湿をすることが効果的です。

TOPICS③保湿スキンケアの注意点

敏感肌のスキンケアでは刺激の少ない化粧品を選ぶことも大切ですが、その使い方がとても重要です。間違ったスキンケアをおこなうことで、刺激の少ない化粧品であってもお肌にとって刺激となることや保湿効果を十分に発揮できないということもあります。
次のことに気をつけてみましょう。

@ 保湿化粧品(保湿剤)は洗顔後すぐにつけていますか?

洗顔や入浴は、角層から保湿成分である天然保湿因子やセラミド等の細胞間脂質が流出しやすくなるため洗う前よりも乾燥しやすくなります。洗顔や入浴後はすぐに保湿をすることが効果的です。

A 保湿の回数は適切ですか?

1日2回(朝晩)を目安に保湿をしましょう。ただし、乾燥がひどいときには保湿の回数を増やすことや、種類の異なる保湿化粧品(保湿剤)の重ねづけもおすすめです。

B 使用量をまもりましょう。

十分な保湿効果を得るためには使用量も大切です。たっぷり使いましょう。清潔な手のひらに保湿化粧品(保湿剤)をとり、まずは乾燥しやすい部分からつけていき、手のひら全体でやさしくお顔をつつむようになじませましょう。

C 化粧水だけで保湿をしていませんか?

化粧水のみの保湿でも一時的にしっとりとしますが、バリア機能が低下しているお肌では水分がすぐに蒸発してしまうため乾燥しやすくなります。乳液やクリームなど複数の保湿化粧品(保湿剤)を併用し油分を補うと、肌のうるおいを保つ皮脂膜の役割をしてくれるため保湿効果が高くなります。

D 保湿化粧品(保湿剤)のつけかたを見直してみませんか?

敏感肌ではコットンの繊維によってかゆくなったり、パッティングをすることで赤くなってしまうことがあります。保湿化粧品(保湿剤)は手でつけることをおすすめします。つけるときは保湿化粧品(保湿剤)を手のひらにとり手でなじませるようにやさしくつけましょう。また先につけた保湿化粧品(保湿剤)が肌全体になじんでから次の保湿化粧品(保湿剤)をつけるようにしましょう。

TOPICS④敏感肌を改善するためには

敏感肌では、生活習慣の乱れなどによって皮膚のターンオーバーのリズムが崩れ、バリア機能を低下させることもあります。
アトピー性皮膚炎やアレルギー症状によってお肌が敏感になっている場合などには、皮膚科での治療が必要ですが、生活習慣が原因で敏感肌になっているような場合には、生活習慣を見直すことで改善することがあります。

バリア機能が低下する原因として、内的要因と外的要因があります。

<内的要因>
生活環境の変化に伴う心理的疲労・睡眠不足・栄養の偏り・暴飲暴食・生理・妊娠・更年期障害・ストレス・皮膚の乾燥を引き起こす疾患など
<外的要因>
紫外線・化粧品などの外用剤・温度や湿度の変化・汗・ほこり・ダニ・金属・衣服など

忙しいと乱れがちになる生活習慣。健康的な生活習慣はお肌の健康のためにも重要です。生活習慣の乱れは、敏感肌の原因になります。お肌の状態がどうしてもよくならないときは生活習慣を見直してみましょう。また、健康な皮膚は、水分と油分のバランスが整っています。
しかし、皮膚のバリア機能が低下し、このバランスが崩れると水分が維持できずに乾燥し、様々な刺激を受けて炎症が起こりやすい皮膚になります。そのため、皮膚を清潔に保ち、皮膚のバリア機能を正常に保てるような毎日のスキンケアも重要です。

敏感なお肌のスキンケア3つのポイント

  1. お肌に合うかチェック
    お肌の状態は人それぞれです。本格的に使い始める前に、サンプルやトライアルセットなどで自分のお肌に合うかどうかを試してみることをおすすめします。
  2. 正しく使う
    どんな化粧品も自己流の使い方ではせっかくの効果が十分得られないこともあります。使用する手順や使用量など説明書をよく読んで正しい使い方をまもることが大切です。
  3. 汚れをきちんと取り除く
    酸化したり汚れが混じった皮脂や汗は、お肌への刺激の原因となりますので、洗浄によりきちんと取り除きましょう。
    ただし、ごしごしとこするような洗顔はお肌への刺激になりますので、ぬるま湯でやさしく洗い洗顔料が残らないよう十分にすすぎましょう。また、洗浄剤自体が一次刺激になってしまうことも考えられます。敏感肌の場合は洗浄力の強すぎるものは避けましょう。

TOPICS⑤季節ごとの保湿スキンケア

一年を通して保湿をしっかりおこなうことは大切ですが、季節や自身のお肌状態に合わせてスキンケアを調整してみましょう。
季節の変わり目の春先や秋口は特にお肌が敏感になりやすい時期です。寒暖差が大きく、花粉やPM2.5など大気中の汚染物質などの刺激物質がお肌に接触する機会が増えます。このようなお肌が敏感になりがちな季節は、低刺激性の敏感肌用保湿化粧品(保湿剤)を用いて保湿をしっかりおこなうようにしましょう。
夏は湿度も高く、汗をかくため保湿を怠りがちですが、紫外線による日やけや、室内ではエアコンによる乾燥が起きやすくなっていますので、油断せずにきちんと保湿をしましょう
冬は外気の温度や湿度が下がりお肌が乾燥しやすくなります。乾燥によってかゆみが出てしまうこともありますので、顔だけではなく体もしっかり保湿をしましょう。保湿感が足りないと感じるときはもう一度重ねて塗布してみたり、化粧水(ローション)タイプのものを使用している場合には、油分の含まれるクリームタイプの保湿剤を重ねてみましょう。

TOPICS⑥年代ごとの保湿スキンケア

敏感なお肌はもともと皮膚のバリア機能が低いために日常的に乾燥や紫外線などの刺激を受けやすくなっています。そのため、「しみ・しわ・ハリ」のなさなど加齢変化による肌悩みを気にする方も多くいらっしゃいます。
このような方は敏感肌のためのエイジングケア化粧品を選ぶようにしましょう。保湿効果だけではなく、敏感肌の方でも安心してエイジングエアをおこなうことができます。加齢により、お肌のターンオーバーの期間が長くなってしまい、ごわついたお肌にもなりがちです。保湿をしっかりおこなうことはお肌をやわらかくしっとりととのえることにもつながります。

敏感肌の加齢変化による肌悩みに対しては、まずは保湿をしっかりおこなうこと、メラニンの過剰産生による「しみ」対策に美白成分が配合されていること、乾燥やコラーゲンの変性にともなう「しわ」に効果のある成分が配合されていること、そして何よりお肌の状態を悪化させないよう低刺激である化粧品を選ぶことが大切です。

TOPICS⑦にきび肌の保湿スキンケア

にきび肌で皮脂が多いからと保湿を怠ってはいないでしょうか。お肌にうるおいを与えることでやわらかく柔軟な皮膚になり、にきびの原因のひとつである毛穴のつまりを防ぐこともできます。また、保湿をおこなうことで過剰に分泌されている皮脂がコントロールされるともいわれています。
にきび肌の場合はにきびの原因になりにくいことを確認している「ノンコメドジェニックテスト済み」の記載のある保湿剤を選びましょう。また、にきびの治療で用いられる外用薬の中には、皮膚への刺激や乾燥感があるものがありますが、保湿化粧品(保湿剤)を使うことで、外用薬による刺激や乾燥感を軽減できることがわかっています。にきびの治療をおこなっている方はどのような保湿剤を使えばよいか医師に相談するようにしましょう。